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ひと手間Weblog

玄人はだしの逸品から箸にも棒にも掛からぬ駄作と+α を色々とご紹介

ホンダCBX125Fのレストア ― エンジン周り編④

CBX125Fのスタータークラッチをオーバーホールセルでのエンジン始動が叶わないCBX125F。そこで今回は、前期型の起こりやすいトラブルの一つ、スタータークラッチのメンテナンスを行ってみることにした。けれども、そこには思いもよらない落とし穴があったのだ……。

 スタータークラッチをオーバーホール

CBX125Fクランクケースカバー内にあるコイル
初めて整備したクランクケースカバーの内側に、発電用コイルが設けられているタイプのACジェネレータ―。

電装ケーブルの見直しをして修復を行ったCBX125Fだが、やはりセルでの始動はままならなかった。そこで、セルを回すと排圧は感じられるものの、エンジンがかからないということで、スタータークラッチのメンテナンスを行うことにした。実は、後期以外のスタータークラッチは、トラブルの要因になっているようなのだ。排圧を感じられるということは、少なくともスタータークラッチは機能している。けれども、エンジンはかからない。ここまでセルでの始動が行えないと、虱潰しに一つずつ解決していくしかないように思えてきた。

CBX125Fのフライホイールをプーラーで外す
フライホイールは、フライホイールプーラーで外していく。これは6種類のネジ径に対応している汎用タイプ。

ただし、闇雲にやっていっても埒が明かないのは、分かっている。だが、所詮素人整備だ。必要のない整備を行ってしまう可能性は十分にある。などと思いつつも、これで直るのではないかという、淡い期待を胸にスタータークラッチの整備を行っていくことにした。とはいっても、クランクケースカバーを開ける必要のある整備なので、それほど簡単でないのも事実だ。さらにフライホイールを外すための、フライホイールプーラーなる専用工具も必要になる。幸いにもフライホイールプーラーは、手元にあるので整備を始めることにしよう。

CBX125Fのフライホイールを外した状態
こびりついたガスケットは、スクレーパーを利用して除去していく。ある程度ガスケットが除去できたら、オイルストーンで表面を整えておく。

まずは、クランクケースカバーを開けていくために、8か所にあるボルトを緩めていく。対角線を意識しながら何本かボルトを緩めたら、クランクケースカバーの下方からエンジンオイルが、ポタッポタッと垂れ始めた。「あれっ?」ACジェネレータ―は、左側のクランクケース内にあるはずだ。このオイルはどこから漏れているのだろう。全く見当がつかない。CBX125F用のサービスマニュアルは手元にないし、ネットで調べても簡単に答えは見いだせなかった。クランクケースカバーのボルトを一度緩めてしまったら、ガスケットの再利用はできなくなるに違いない。

 

 スタータークラッチのパーツを一新

CBX125Fのフライホイール背面にあるスタータークラッチ
取り外したフライホイールの背面には、スタータークラッチが設けられている。画像内の右下にあるパーツは、取り外したもの。

オイル交換はしたばかりなので、100kmも走行していない。しかし、クランクケースカバーを外さなければ、先へは進めない。やむなく、入れて間もないオイルを抜くことにした。それにしても、まさかACジェネレータ―が、オイルにドブ漬けとは思わなかった。オイルが抜けたら、クランクケースカバーを取り外すしていく。クランクケースカバーの内側を見ると、発電用のコイルが取り付けられている。フライホイールは、それに伴い凹側が外側を向いている形状だ。CBX125FのACジェネレータ―の構造は、すべてが初めて尽くしだった。同様の構造を採用したバイクは多いのだろうか。

CBX125Fスタータークラッチのパーツを一新
旧スプリングのへたり具合がよく分かる。下にある3袋で、1つのスタータークラッチ部分のパーツが構成される。後期型とはクラッチの構造が全く異なっているようだ。

次にフライホイールフライホイールプーラーで外していく。スタータークラッチは、フライホイールの背面にある構造となっているからだ。スタータークラッチは、スプリング、スプリングキャップ、ローラーの組み合わせで、それが3ヵ所に設けられている。このうちのスプリングがへたり、クラッチとして機能しなくなるようだ。画像のように、スプリングの全長が、新旧でかなり異なっているのがお分かりいただけると思う。これらをすべて交換すると、ローラーの押し付け具合がよくなった。後期型は、前期型で3ヵ所だったものが、構造はことなるかもしれないが、全周に渡りこのような機構が設けられたようだ。

 

 カッティングマシンを利用したガスケット

CBX125Fの自作した左側クランクケースのガスケット
モノタロウの0.5ミリガスケットシート(255×455ミリ)より切り出した。カッティングマシンを利用してみたが、切り出すことは叶わなかった。

ガスケットの製作にあたっては、濃い目の鉛筆とコピー用紙を利用して、クランクケースから「石刷り」を取ることから始めた。その取得した「石刷り」をスキャン、パソコンでトレースを行った。トレースしたデータの出力を行ったものは、カッティングマシンだ。ガスケットは、モノタロウの0.5ミリ(255×455ミリ)シートタイプを利用した。しかし、拙宅のカッティングマシンの性能では、0.5ミリのガスケットシートの厚さとなると、まったく太刀打ちできなかった。仕上げは、スジ掘りを利用したマンパワーだ。デザインカッターを駆使してカット、取り付け用の穴は、穴あけポンチを利用して開けている。

CBX125F自作ガスケットをクランクケースに取り付け
カットしたガスケットは、問題なくセットできた。後は、クランクケースカバーを取り付ければ終了だ。それにしても、ACジェネレータ―が、エンジンオイルにドブ漬けとは思わなかった。

試しにガスケットシートの不要部分で、同じところを何回切れば、奇麗にカットできるかをテストしてみた。最終的には9つのレイヤー(階層)までを試してみた。刃の飛び出し量のセッティングも難しかった。深くカットするため刃を出し気味にすると、今度は刃が素材に引っ掛かってしまい、ガスケットシートをダメにしてしまった。その結果は、カッティングマシンで同じ箇所を9回切っても、カットされることはなかった。それでもガスケットのデータ化によって、(再々にはやりたくないが)今後有効活用ができるだろう。今回のメンテナンスを振り返ると、CBX125Fの始動不良解決には至らずに、予防措置に終始してしまった。決して必要のない整備だとは思わないが、何だか嫌な展開になってきてるようだ……。