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ひと手間Weblog

玄人はだしの逸品から箸にも棒にも掛からぬ駄作と+α を色々とご紹介

レストアなったスズキ ジェンマ125 ― 後編

スズキ ジェンマ125モディファイ仕様後方三部構成しんがりの後編は、エンジン関係と外装関係を中心にご紹介しようと思う。最後にちょっとした小物を作成してみたので、ご覧いただければと思う。


 

 

レストア&モディファイ

4.エンジン関連

ジェンマ125の負圧式キャブレターをメンテ
ジェンマ125は、負圧式キャブレターを採用しているので、右端にあるピストンを上下させるための黒いゴムブーツに、小さな穴や亀裂が入ると調子を落とすことになる。

ジェンマ125の吸気系統は、パワーフィルター装備した、いわゆる直キャブ仕様に変更されていた。エンジンを掛けると、キャブレターの吸気音がけたたましい。燃調が濃いのか分からないが吹け上がりが悪いので、キャブレターの分解を行うことにした。キャブレター内部は、フロートチャンバーにタンク内からきたと思われる小さなサビはあったが、概ね奇麗なものだった。メインジェットを見ると、純正指定より15番も大きなものが装着されていたのが分かった。念のため、キャブクリーナーやパーツクリーナーで要所要所を清掃しておく。キャブレターにある穴すべてをエアーガンで吹きながら組み上げていった。

ジェンマ125のマフラーのサビ具合
ジェンマのマフラーを外したら、エキゾースト側下部にに穴が開いていたので、アーク溶接で穴を埋めておくことにした。

その後、中古のジェンマ125用純正エアクリーナーユニットをヤフオクで落札した。元々ジェンマ125の販売台数が少なかったのかは分からないが、パーツの流通量が少なければ、どうしても高くなってしまう。パーツ類が高めなのは、レストアをする身には痛いところではある。ジェンマ125用のエアクリーナーエレメントはモノタロウで扱っていたので購入し、吸気系をオリジナル状態に戻してみた。メインジェットは、純正指定の130番を購入した。取り付けてみると、今までとは明らかに違う吹け上がりとなった。純正エアクリーナーによって吸気音も消え、ジェントルなジェンマ本来の姿に戻ったのである。

ジェンマ125純正マフラーを耐熱塗装
ジェンマのマフラー塗装は、モノタロウブランドの耐熱スプレーブラックで行った。熱を加えることによって完全硬化するタイプだ。完全硬化には180℃程度の熱が、20~30分以上必要のようだ。

マフラーはサビ落としと塗装を行うため、取り外すことにした。よく見るとマフラーの裏側や下側にサビが酷かったので、ドリルに真鍮ブラシを取り付け、電動の力でサビ落としを行った。エキゾーストパイプとマフラー消音部が接続した部分の下側に、小穴が開いていたので、アーク溶接機で補修を行っておいた。サビ落としと補修が終了したので、塗装を行っていく。モノタロウで調達した耐熱スプレーのブラックは、半艶の仕上がりとなるお気に入りの塗料だ。ジェンマのマフラーは、サイドカウルを取り付けると、マフラーが半分以上隠れてしまう。個人的には、他のスクーターと違う純正マフラーの慎ましい形状がジェンマには似合っていると思う。ただし、その分カウル内に熱が籠るので、夏場のオーバーヒートには気を付けたい。

ジェンマ125機械式AT3速
動力機構はスズキ独自の機械式AT3速。サービスガイドによると、クラッチは1、2速用に湿式自動遠心シュータイプ、3速用に湿式多板自動遠心ボール式という凝った構造だ。

ジェンマ125は、スクーターには珍しい3速AT仕様だ。ミッションオイルとエンジンオイルは兼用なので、オイルメンテナンスには慎重を期すべきだろう。今回、エンジンオイルはモノタロウブランドの、バイク用汎用4サイクルエンジンオイル(MA SL 10W-30)を入れてみた。オイル規格的には申し分のないオイルなのだが、オイル交換をしてもアイドリング時にエンストがみられたのだ。そこで、フュエルクリーンハイブリッドプレミアムという燃料添加剤を、ガソリン給油の際に何回か適量を入れたところ、アイドリング時のエンストが収まるようになってくれた。同様な商品では、ワコーズのフューエルワンが有名だが、今回投入した製品でも充分効果があるように思う。

ジェンマ125に社外製ヤマハジョグ負圧式燃料コック取り付け
元々ジェンマ125は負圧式キャブレターが採用されているので、入手時のオンオフ式燃料コックから、相性の良い負圧式燃料コック(社外製のヤマハジョグ用)へ変更した。

ジェンマ125の純正負圧式燃料コックには、メインとリザーブの切り替えが装備されていたようだ。その多くが壊れてしまうようなので、入手時も社外製のオンオフ式燃料コックに取り替えられていた。オンオフ式は、負圧式キャブレターとの相性は決して良くない。停車時にオフにしないと、キャブレターからガソリンがオーバーフローする可能性がある。そこで、ヤマハジョグ用の負圧式燃料コックの社外品を、アマゾンで調達、燃料タンクに自作ステーを介して取り付けてみた。ガソリンタンクとは、燃料コックが1系統なので、リザーブ側と接続している。メイン側のパイプには、ガソリンが出ない措置を行った。今のところ、オーバーフローはないし、具合はすこぶる良い。

 

5.外装関連

ポリカーボネートシートでポジションランプレンズ作成
所定の寸法にポリカーボネートシートを切り出し、レンズケースに合わせて曲げたところ。この後、表面にGemmaロゴを抜いたカッティングシートを貼りつける。

落札したジェンマ125は、年代物なのでキズはそれなりにあるが、プラスチックパーツの割れなどはなく、外装パーツ全体の程度は悪くないと思う。ただし、ゴム製足元マット、ヘッドライト下のカウル前面にあるポジションランプのレンズカバー、ヘルメットホルダーが取り付けられていなかった。そこで、足元マットは、ジェンマに精通した重鎮にお願いをして分けていただいた。その他にも細々としたパーツを分けていただき、本当にありがたかった。ポジションランプのレンズカバーは重鎮がお持ちではなかったので、オークションで落札しようと思ったが、いずれも高価だったので諦めることにした。

ジェンマ125ロゴ入りレンズカバー
入手時は、ポジションランプのレンズカバーと、フロントカウルの左上にあるgemmaのプラ製ロゴマークもなかったので、一石二鳥を狙ってみた。

ジェンマ125のパーツは業者出品が多く、開始価格が高めで手を出しにくい。というわけで、ポジションランプ用レンズの代替品を、ポリカーボネートシートを利用して作成することにした。ポジションランプケースの寸法を計測、レンズのサイズにポリカーボネートシートを切り出した。Gemmaのロゴをトレースし、カッティングマシンでメタリックシルバーのカッティングシートからロゴ部分をカット。その二つを組み合わせてできたのが画像のものだ。組付けにあたっては、カッティングシートの剥離紙を再利用、Gemmaロゴとの間に隙間ができるように配置し、ロゴマークが奇麗に浮かび上がって見えるようにした。ポジションランプには、アンバーのLEDを取り付けている。

ジェンマ125ヘルメットホルダー新設
ヘルメットをホルダーのフックに掛け、シートの開閉だけで一連の作業が終了するのは、かなり便利だと思う。

ヘルメットホルダーはないと不便なので、設けることにした。シートの開閉だけで、ヘルメットの脱着が行えるような設置場所を探していたら、シートヒンジの隙間に何とか収まりそうなスペースを発見。ヘルメットホルダーとなるステーを、16×3ミリの鉄製フラットバーで自作することにした。取り付けのベースとなる箇所に穴を開けてタップを切り、自作したヘルメットホルダーをネジ止めした。これで、シートを開けて左右にあるフックのどちらかにヘルメットを掛け、シートを閉めるだけのヘルメットホルダーが完成した。使い勝手も良いので重宝している。

ジェンマ125にボテ箱取り付け
昭和感満載のボテ箱がいい味を出していると思う。ジェンマ125には似合うと思うのだが、いかがだろうか。

カブの荷台にボテ箱*1を取り付けて配達をする……昭和の時代によく見られた光景だ。ジェンマにもその雰囲気で乗ってみたいと思った。シングルシートのジェンマ125には、アルミ角パイプとアルミプレス型抜き材で構成された豪華なキャリアが装備されている。そのキャリアに簡易リアシートを取り付ければ2人乗りも可能となる。だが、元々一人乗り派なのと、リアシートのないジェンマのシンプルなスタイルが好みなので、簡易リアシートには興味がない。それよりも、そこへ昭和テイスト満載のボテ箱を取り付けてみたかった。幸運にも商売をしていた実家に、ボテ箱が1つ残っていた。これを利用しない手はないと思った。

ジェンマ125にボテ箱をネジ止め
鋼製フラットバー2つでアルミ製キャリアに穴を開けてネジ止めしている。中央に取り付けたネジは盗難防止用で空回りする。滑り止めシートは、撮影のため丸めてある。

ボテ箱の耐水性や耐候性を高めるため、モノタロウのサビ止めクリアスプレーで、ボテ箱全体を吹き付け塗装をすることにした。ボテ箱の取り付けは、ボテ箱の底、鋼製フラットバー、リアキャリアと通しの穴を開け、六角ボルトとナットで固定するようにした。鋼製フラットバーは2つ配置して、4ヵ所をネジ止めしている。さらに、空回りをしてしまうネジも取り付け、盗難防止に備えておくことにした。ボテ箱は、程度の良いものだと、オークションで割と高値が付くような人気アイテムのようだ。しかもジェンマに取り付けたライオン製のボテ箱は、ネット検索をしてみても見たことがなかった。これは、かなりレアなアイテムかもしれない。ネジ止めしたので大丈夫のはず……。

ジェンマ125用スマホホルダーステー自作
16×3ミリの鋼製フラットバーから作成したスマホホルダーを取り付けるためのステー。左側の大きな穴は、バックミラー共締め用。

昭和感満載のジェンマでも、スマホナビは利用したいので、スマホホルダー取り付け用のステーを自作することにした。ステーは16×3ミリの鋼製フラットバーを利用した。鋼製フラットバーの折り曲げ加工は、以前に【ジェンマ125の熱中症対策】でご紹介した、中華製3in1の小型複合板金機で全て行っている。ヘルメットホルダーやスマホホルダーを取り付けるためのステーは、ともに3ミリ厚の鋼製フラットバーだ。このぐらいの板厚までなら、力いっぱいハンドルを押し下げれば、かろうじて曲げることは可能なのだ。

ジェンマ125スマホホルダー取り付け
昭和テイストのジェンマでも、スマホホルダーは欲しかったので作成してみた。

自作したスマホホルダー用ステーは、メーターと同じような傾斜になるように角度をつけて曲げ、大きな穴を1つ、小さな穴を3つ開けてある。大きな穴は、バックミラーと共締めするためのもの。中央2つの穴は、スマホホルダーの固定用だ。右端の穴にはタップが切ってあり、カウルに穴を開けた中からボルトを通して固定するようにした。スマホホルダーの盗難防止対策と振動対策とを兼ねたつもりだ。また、ステーのL型部分にもタップを切り、特殊ネジでミラーの取り付けネジをロックするようにしてみた。一応、盗難防止用の措置としたが、ほとんど自己満足の世界だ。

 

最後に

ジェンマ125イタリアンカラーアイテム
ジェンマ125のイタリアンカラーアイテム4態。ホイールキャップのステッカーだけが純正だ。

純正キーには、本来イタリアンカラーのステッカーが貼ってあるのだが、見る影もない状態だった。そこで、純正風ステッカーを3色のカッティングシートを重ね合わせて表現してみた。窪んでいるところにステッカーを貼るので、そこへレジンを流し込み、接着面が少なく剥がれやすいカッティングシートの剥離対策とした。さらにフロントフェンダーオーナメントと、リアカウルに貼ったスズキロゴも、イタリアンカラーで統一してみた。ジェンマ125は、機械式3速ATと前後片持ちサスで、独特な乗り味の唯一無二のスクーターだ。これからも昭和感を満載したまま大事に乗っていきたいと思う。

*1:“張りボテ”が語源とか